Episode さんびゃくよんじぅさん 『両国国技館 その弐』 (2011・5・28)早稲田大学交響楽団の委嘱作品として三枝成彰氏によって書かれた「太鼓協奏曲〈太鼓について〉」は、 西洋と日本の“音”が融合する曲である。 私は2000年にその世界初演を同楽団とともに、大町陽一郎氏指揮・東京芸術劇場を皮切りにドイツ・ツアーでも演奏させていただいたが、 その少し前に音楽誌の取材を受けた際、「これからはオーケストラと共演していきたい。」などと話していたことを思い出す。 この曲との出合いがきっかけで、その後、多くのオーケストラと共演することになったことは幸せである。 翌日、いよいよ本番の日を迎えた。 国技館の場内が暗くなり、司会で俳優の奥田瑛二氏の低くて力強い声が、イベントのオープニングを告げた。 その間、私は舞台袖で待機し、舞台上で演奏している姿をうっすらとイメージしていた。 まもなく東京ニューフィルハーモニック管弦楽団の団員がステージに上がり始め、私もその後について大太鼓の前にスタンバイ、 曽我大介氏が指揮台についたのを大太鼓下に設置してあるモニターで確認、協奏曲がスタートした。 タクトは激しくオーケストラを引き寄せ、私もそれに絡めるように演奏すると、それまで持っていた不安がなくなり、 両国国技館には大太鼓が響き渡った・・・。 演奏が終わり楽屋に戻ると、そこにフレンドリーな東京ニューフィルのメンバーの皆さんが一人二人とやってきて、 やがて曽我さんや大倉正之助さん、稲葉明徳さんも交えてみんなで記念写真を撮ることに。 まさに試合が終わり、ノーサイドになった瞬間であった。 その後、ステージ上ではウエルカムパーティが開かれた。 そこには招待客に混じり多くの芸能人やモデルさんが、ワインを片手に談笑している。 皆さん、過去にアウディのユーザーや現ユーザーの方たちである。 とても背が高く存在感がある人が・・・冨永愛さん、横綱白鳳関だった。 バックにはライティングされたアウディA8が鎮座していた。 私はマカロンをいただきながら会場の隅の方で、パンツェッタ・ジローラモさんとお話させていただいた。 ジローラモさんが「どうして指揮者に背を向けて太鼓を打っているのに、音がズレないのですか?」と聞いてこられたので、 太鼓台の下に仕込んだモニターの存在を伝えると、妙に感心されていた。 テレビで見るのと変わらず、笑顔が素敵な人だった。 終演後、三枝さんにお誘いいただいた打ち上げに参加。 楽器の積み込みがあったので、少し遅れて店に入ると、曽我さんの横に案内された。 曽我さんは、私が以前在籍していた「大阪交響楽団(旧:大阪シンフォニカー)」の指揮者でもあるので、そんな話などをした。 両国駅前のちゃんこ屋でのひと時、建設途中の東京スカイツリーが美しかった。 翌日、自宅に向けて東名高速を走っていると、真新しいアウディがぴゅぅ〜っと横を通り過ぎていった。 それまでは周りの車をあまり意識していなかったのに、それを自然と目で追っていた・・・。 終わり |
本ホームページの記事、写真等すべての記載内容についての無断転載を禁じます。 このHPはリンクフリーではありません。 ©1991-2020 ICHIRO JISHOYA & JDO ICHIRO(Japanese Drums Orchestra ICHIRO). All Rights Reserved. |